溶岩石はIH調理器で使える?代用方法と飲食店で実践している方法を解説!

天然の溶岩を使った焼肉「溶岩焼き」を代表として、飲食業界で使用される溶岩石。

ガスで使用されることの多い溶岩石ですが、IHでも使えるのでしょうか?

この記事では、IH対応食器の専門メーカーが、 IHで溶岩を温める方法や温度計を使った店舗での実践例、 溶岩焼きによって得られる意外なメリットを解説していきます。

1. 溶岩石はIH調理器で使える?

A.”そのままでは”使えません!

なぜなら、IH調理器の上に溶岩石をそのまま置いても、反応ないからです。

IHは「うず電流」を使って発熱させるので、陶器やガラス、溶岩といった素材は温められません。

なにか別の対策をして、IHで加熱する必要があります。

2. 炭板を置いて、IHに対応させよう!

では、どのようにすればIHでも使えるのでしょうか?

実は、溶岩石の下に「炭板」の上に置くことで間接的に温めることができるのです。

この章では、炭板を使用したIH対応の方式について解説します。

2.1 IH+炭板で、溶岩を加熱できる

  • IHに反応して、炭板が発熱します
  • 炭板の上に置いた溶岩石が、じわじわと温まります。
  • 断熱材があるんで、IH調理器に伝わる熱はわずかです。

3. IHで溶岩石をする3つのメリット

IH調理機で溶岩焼きをすることで、ガスコンロが不要になるだけではありません。

IH溶岩焼きでは、これまでとは違ったメリットを得ることもできます。

すでにご存知の内容も多いかもしれませんが、もし初耳の情報がありましたら、ぜひ読んでみてください。

3.1 温度管理が安定する

溶岩焼きのオペレーションにとって一番の課題である温度管理が安定し、簡単になります。

そもそも、熱しにくく冷めにくいという特徴を持つ溶岩石は、一度加熱してしまうと温度を簡単に戻すことができません。

ガスの火力で調整する場合には、弱火から強火までを火を見ながら調整することになりますが、常に同じ火力に合わせるのは難しいものです。

IHで温度管理をすることで、数値で管理できるようになるだけでなく、IH調理器自身の調整機能によって温度を安定サせることができます。

3.2 排煙設備が不要

IH溶岩焼きでは、容易に焼面温度を200℃に保つことができます。

このため、「肉はしっとり焼けて油煙がでない」という状況が生まれます。

油煙が出なければ、排煙設備を用意する必要もありません。130~250万とも言われるダクト工事費用なしに出店することができます。

3.3 服・店舗に匂いが残らない

 

 
 
 
 
 
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「油煙が出ない」という特徴は、コストを減らすだけではありません。油煙が出ない焼肉なら、服や店舗の内装の匂いが激減します。

実際、焼肉の匂いが衣服につく原因は、その大部分が油煙と言われています。肉の脂身や調味料が溶け出したものが含まれた煙が、お客様の衣服や壁・照明器具などに付着し、匂いの原因となるのです。

IH溶岩焼きでは、匂いが残らない店舗になるため、女性客も安心して来店できるようになります。

4.具体的な商品とバリエーション

では、溶岩石をIHで加熱するための炭板は、どこから買えばいいのでしょうか?

2023年現在、IHで溶岩焼きができる商品は、オーシンの「IH溶岩焼きプレートセット」のみとなっています。

この章では、IH溶岩焼きプレートセットの詳細を紹介します。また、飲食店向けに受注生産している特注サイズについても解説します。

4.1 仕様と価格

IH溶岩焼きプレート□250

  • サイズ:275mm 275mm 28mm
  • 溶岩石サイズ:250mm 250mm 20mm
  • 重さ:3.6kg
  • 上代:36,000円

IH溶岩焼きプレート□180

  • サイズ:200mm 200mm 28mm
  • 溶岩石サイズ:180mm 180mm 20mm
  • 重さ:2.2kg
  • 上代:25,500円

4.2 IH溶岩焼きプレートの構造

IH溶岩焼きプレートは、このように重なっています。上から順に、

  1. 溶岩石
  2. 炭板(カーボングラファイト)
  3. 断熱材

溶岩石

ガス火用としても使用されている、溶岩石です。加熱時間と蓄熱性のバランスが良い、厚み20mmのものを採用しています。

炭板

工業用に組成を均一化した炭板(カーボングラファイト)です。IH調理器に反応し、発熱する性質を持っています。

断熱材

ときに500℃以上になることもある炭板の熱をカットし、IH調理器を安全に保ちます。

溶岩焼きの際に出る油を受ける枠です。真ん中に空いた穴と空間で、空気断熱の効果を兼ね備えています。

4.3 特注サイズのオーダー

飲食店向けに、特注サイズも受け付けているようです。

もっと厚みのある溶岩石をつかいたい。一人用サイズの溶岩焼きを提供したいといった場合は、別途ご相談ください。

4.4 加熱部分のパーツ販売

もう溶岩石は持っている!ガスコンロからIHに移行したい!という方は、炭板と断熱材だけ購入することで、お手持ちの溶岩焼きプレートをIH対応にすることができます。

サイズによって値段が変わるため、お問い合わせページからご連絡ください。

  • 最小ロット:5枚~
  • 価格:4000円~(要相談)

5. メニュー考案時に抑えたいポイント

一般的な焼肉とは異なり、溶岩焼きメニューを提供する際におさえておきたいポイントがあります。

5.1 タレ浸けの肉は控える

溶岩石は多孔質のため、タレ浸けの肉を焼いていくと穴にタレやゴマが入り込んでいきます。また、タレに含まれる糖分が加熱され、煙の原因となります。

塩で食べていただくか、タレは別添えとすることをオススメします。

5.2 硬くなりにくい反面、パリッと仕上げるのは苦手

溶岩焼きの「しっとり仕上がる」という特徴は広く知られていますが、その反面、パリッと仕上げるのは苦手です。

ホルモンなど、しっかりと焼くタイプの食材よりも、軽く火を通す食材のほうが向いているかもしれません。

5.3 野菜はホイル焼きも検討する

溶岩石は彫り込みや壁がないので、小さいものだと転げ落ちてしまうことも。

ホイルのカップで提供することで、落ちる心配がなくなるほか、ソースやバターも採用できます。

6. よくある質問

Q.IHで溶岩石を加熱すると、何がいいの?

A.IH調理器なら、同じ温度帯でキープできます。また、ガス火のように炎が発生しないので、お客様のやけどによる心配が大幅に低減できます。

Q.溶岩石はどこのものを使用しているの?

A.溶岩石は、国産の溶岩石「黒玄武」を使用しております。

Q.お手入れはどうしたらいい?

A.各パーツごとに説明いたします。

  • 溶岩:十分温度が冷め、安全に作業ができるまで待ってから、汚れやカスを金タワシや鉄ヘラ等でこすり落としてください。それでも汚れが気になる場合は、水またはお湯で洗い流してください。通常の洗剤を使用すると、溶岩石に洗剤の成分が吸着してしまいますので、おやめください。
  • 炭板:汚れが気になる場合は、十分に冷めてから濡れたふきんで軽く拭き取ってください。食器洗い機はご使用いただけません。
  • 断熱材:水に濡らさないでください。汚れが気になる場合は、十分に冷めてから濡れたふきんで軽く拭き取ってください。

まとめ

溶岩は、そのままではIH調理器で使用できないこと、炭板を使うことでIHも加熱できることがわかりました。

また、IH溶岩焼きにすることで、排煙設備を不要にして匂いの残らない店舗を作ることができます。

「今の店舗でも使える?」「この使い方ならどうしたらいい?」といった質問があれば、お問い合わせフォームやお電話で、お気軽にご相談ください!