高校生モノづくり職業体験に来てもらいました。

モノづくりの楽しさを伝えたい

株式会社オーシンでは、9月に2名の学生さんの職業体験をそれぞれ2日間の日程で受け入れました。
さまざまな業種の中から、製造業を選んでくれた学生さんが相手です。スケジュールを作るにあたって、まずものづくりの楽しさを体験してもらいたいと考えました。また私たちがどんな時に喜びを感じているかも知ってもらいたい。さらに、オーシンでなく製造業全般のイメージも掴んでもらいたい。限られた時間のなかで、かなり欲張った内容となりました。

朝は掃除からスタート

朝の清掃から始まってZOOM朝礼に参加の後、工場では削った陶器の土片付けから手伝ってもらいます。オーシン独自のIH加工方法では、土鍋の底を削って薄くフラットにするため、水を流しながら研ぐように削った陶器の泥が溜まります。一晩おいておくと翌朝には取り出しやすい土になっているので、ヘラで崩して取り出していきます。

モノづくりには町工場の連携がかかせない

オーシンの製品は、一社だけでは完成しません。インターンシップでは、土鍋のIH加工を体験してもらいますが、この土鍋は四日市や有田の窯元で作られたもの。オーシンで加工したカーボン発熱板を貼り付ける事で完成します。またカスタムステーキ皿や、IHで使える銅製のしゃぶしゃぶ鍋など、さまざまな金属製品があります。これらも設計はオーシンで行いますが、多くの協力工場の連携で作られていることをお伝えしました。

大阪府の製造業

製造業に興味を持っている学生さんに、広く製造業を知ってもらうため、東大阪市役所の隣にある、MOBIO(モノづくりビジネスセンター大阪)へ行き見学させてもらいます。ここでは調理器具製造だけでなく、プラスチックの玩具から新幹線や明石海峡大橋に使われているボルト、ふだんは機械の中で見ることができない精密部品などが展示されています。同じように見えるネジであっても、使われる場所が違うと求められる機能も違うため、企業は独自技術を磨いて様々な専用ネジをつくっており、ブースで展示されています。

お客様の喜ぶ顔を見に行く

オーシンにインターンシップでは、できるだけ製品が使われている現場を見てもらい、さらに美味しさも体感してもらおうと、オーシン製品の使われているお店で昼食をとります。
今回は、近くのフードコートに行きIH調理ができるパスタプレートで、アツアツのパスタを味わってもらいました。フードコートでは、お客さんがお店で料理を受け取りトレイに載せて離れたテーブルまで運びます。IH対応陶器ならキッチンで働くスタッフが涼しく快適に調理ができる。運ぶお客様も軽く運びやすい。その上調理中に陶器のプレートにしっかり蓄えられた熱が、アツアツのパスタを食べ終わるまでしっかり保温し続けてくれる。それが、IHパスタプレートの特長なのです。周りのテーブルで美味しそうにパスタを召し上がってるお客様を見て、自分たちの作った製品が活躍する場面が見られる嬉しさをお伝えしました。

土鍋のIH加工体験

土鍋のIH加工体験は、素材の検品から完成まで担当社員がサポートをしながら体験してもらいました。はじめに行うのは素材となる土鍋にヒビや欠けが無いかの確認です。ヒビやかけが目で見えなくても、隠れている場合があるので、打音検査も行います。鍋を少しずつ回しながら、爪の先ではじいて音に異常がないかで判断します。検査がが終わると、加工指示書にある鍋底の指定厚みを確認、厚みを確認できるマークをつけた後、土鍋の研磨作業に移ります。

土鍋の底を削る(割れないように慎重に)

 土鍋の研磨作業は、石材加工用の機械で行います

カーボンから発熱体を作る

 2台の専用機械を使って、円形の板材から、土鍋のサイズに合わせた形状の発熱板を作ります。

発熱板の貼り付け、完成

 ちょっと緊張する仕上げ作業。接着剤を塗布する、貼り合わせる、固定する、硬化させる。職業体験では一つずつゆっくり行います。普段の製造工程では待ち時間を無駄にしないように並行作業で進めています。

レーザー加工機で個人作品作り

レーザー加工機を使った作品作りにチャレンジしてもらうため、初日は少しだけ仕組みと使い方の説明をします。普段はオーシンで試作品づくりや木製品のロゴ入れに活用している加工機です。自分のポケットやカバンに入っている”身近なモノとピッタリ”をテーマに、作るものを考えてもらいます。

設計体験 CAD(キャド)でモデルを作る

 オーシンのカスタム調理器具製造は、お客様の要望を細かく聞くことから始まります。SOLIDWORKS(ソリッドワークス)というCAD(キャド)ソフトを使います。最初に、選んだ鋳物のステーキ皿にピッタリ合う木台(受け板)をモデリングする過程を説明します。ぴったりサイズを作るためには、計測が必要です。スケール(定規)で計測が難しい厚みなどを、デジタルノギスで挟んで測ること、丸く削られた曲線部をラジアスゲージを使って測る事などの測定器で確認します。測定した数値を入力していくと、ピッタリサイズの、ステーキ皿用木台の3Dモデルができました。

スマホスタンドなどを設計・レーザー加工機で切り出し

 自分の持ち物を計測して、ピッタリサイズの作品を作る。ひとりはスマートフォン、もうひとりはメガネを選んで計測しました。CADやillustratorというソフトを使って、レーザー加工用のデータを作成。最後にレーザー加工用木の板を切出します。

どこにもないオリジナルのモノづくりができました。

今回は短時間で体験ができるように、レーザーで切った板を重ねて接着すれば完成する形にしました。
オーシンでは試作品にもレーザー加工機を使用していますが、設計したものを早く簡単に手で持てる形にできるのが役に立っています。

ステーキ皿型スマホスタンドと、メッセージ入りメガネトレイの完成です。

 職業体験の最後は、体験の感想をお聞きしました。短い時間でしたが、モノづくりの楽しさを感じてもらえた良い4日間になりました。職業体験に参加していただき、ありがとうございました。

職業体験を受け付けています

 オーシンでは製造業に興味をお持ちの高校生を対象に職業体験を受け付けています。お気軽にご相談ください。