飲食店が、業務用のIH対応銅鍋を手に入れるための4つの方法とは?

次にOPENする店舗では、美しい銅鍋を使いたい!

でも、次に入るテナントはガス火不可と言われている・・・

そんなときのために、IH対応の銅鍋を用意する方法を、IH対応調理器具メーカーの担当者が詳しく解説します。

実際に20店舗以上に納品した経験から、おすすめしないIH対応方法については理由も含めてはっきりと記載しました。

最初に読めば、導入してから失敗する必要はありません。

IH対応の銅鍋を手に入れる方法

IH対応の銅鍋を手に入れるには、以下の方法があります。

  • ステンレス板を埋め込んだ銅鍋を購入する
  • 自分の選んだ銅鍋の底に溶射加工をする
  • 番外:銅鍋の中にステンレス板を入れる
  • 番外:オールメタルIHを使用する

手法1 ステンレス板を埋め込んだ銅鍋を購入する

IH対応片手鍋の写真
https://www.amazon.co.jp/%E6%96%B0%E5%85%89%E9%87%91%E5%B1%9E-%E7%89%87%E6%89%8B%E9%8D%8B-18cm-IH%E5%AF%BE%E5%BF%9C-IH-101/dp/B007U7E3RW

世の中には、その名の通りIH対応の銅鍋が販売されています。

銅鍋の底面にステンレス板が入る凹みを事前に作っておき、ステンレス板を組み合わせた後に動かないように固定するものです。

メリット

  • 既製品なので、在庫があればすぐに購入できる
  • 鍋底のステンレス板は見えないので、客席からは銅鍋にしか見えない

デメリット

  • 限られたラインナップから選ぶ必要がある
  • IH調理器のコイル径が鍋底径よりも大きい場合、大幅に火力が下がる(または停止する)
  • 発熱体であるステンレス板と銅鍋が点で接しているため、全体的に温度が上がりにくい

手法2 銅鍋の底に鉄溶射をする

銅鍋の溶射部分

溶射とは、銅鍋の内側に金属を吹き付け、薄膜を形成する技術です。

主に産業機械などに用いられ、潤滑性の向上や耐久性アップを目的として使用される技術ですが、銅鍋をIHで使用するための加工として転用することができます。

メリット

  • 自分の欲しい銅鍋が、IH調理器で使えるようになる
  • 従来ガス火で使用していた銅鍋を、IH対応に加工できる
  • 業務用IHでも、十分な火力が期待できる

デメリット

  • 特注品のため、加工から納品までに2~3週間が必要
  • 特注品のため、既製品と比べるとやや割高
  • 剥離防止のために、底面から2cm程度まで黒色の塗装が見える
    (形状によっては気にならない場合も)
  • 本来はIH調理器のための技術ではないため、専用の知識を持つメーカーに委託が必要

弊社では、「どのメーカーに頼めばいいかわからない」という疑問を払拭するべく、銅鍋のIH対応加工に特化した溶射加工のご依頼を常時承っております。

番外:銅鍋の中にステンレス板を入れる

「銅鍋の中にステンレス板を入れる」という手法をおすすめしない理由については、こちらの記事で詳しく解説しています。

(鍋の中にステンレス板を入れる手法では、なぜIHでうまく加熱できないのか)

番外:オールメタルIHを使用する

「銅鍋 IH」と検索すると、オールメタルIHなら銅鍋を加熱できる、という内容を見ることもあるでしょう。

しかし、2022年7月現在、業務用のオールメタル対応IH調理器は販売されていません。おそらくは技術的な問題から、耐久力・火力の面で業務用の用途には耐えられない状況であると考えられます。家庭用のビルドインIHを購入することもできますが、業務用に負けず高価であり、耐久性の問題が保証されるわけでもありません。ですので、飲食店においてはオールメタルIHは存在しないものとして扱うのがよいでしょう。

オーシンの溶射加工へのこだわり

オーシンのIH対応溶射加工は、IH調理器で使用することを前提として、独自の基準を持って銅鍋のIH対応加工を行っています。

  • 手加工の作られることの多い銅鍋には、底面がわずかに歪んでカタカタと傾いてしまうものもあります。
    • →溶射加工前に、職人が手作業で歪みを取り除くので、IHの上に置いても安定します。
  • 溶射は薄い膜を形成するので、日々の使用で薄膜が削り取られる心配があります。
    • →標準料金で、溶射加工後に表面を保護する強化塗装を行っています。
  • 鉄の薄膜は、日々の使用や洗浄で錆びることがあります。
    • 浸透性に優れたセラミック塗料で、溶射層を保護して錆を防止しています。
  • 溶射面と通常の面のつなぎ目は、剥離の原因となります。
    • →強化塗装の上から更に、つなぎ目を保護する保護材を塗り込んでいます。
  • 溶射加工は、IHのために作られた技術ではありません。
    • →オーシンでは納品前に、IH調理器での加熱を確認する試験を行っています。

これまでに行ったIH対応加工の事例

まとめ 銅鍋のIH対応加工ならオーシン!

ここまで、銅鍋をIH対応に加工する方法について確認してきました。

欲しいサイズにピッタリのIH対応銅鍋を見つけた場合は購入し、こだわりの銅鍋をIH対応に加工したい場合はぜひオーシンにご依頼ください。

銅鍋が見つからなくて困っている場合も、弊社担当が最適なものをご提案いたします。

全て手作りで、銅鍋を一から制作することも可能です。

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