IHの対応サイズとコイル直径の関係性

IHの対応サイズって、何で決まるんだろう?

大きなサイズや小さいサイズで加熱したらどうなる?

実は、IH調理器の対応サイズは、製品内部にあるコイルの大きさによって決まっています。

この記事では、一般的なIH調理器の対応サイズと、内部のコイルの関係性について解説します。

1.内部のコイルと対応サイズの関係性

IH調理器のサイズは、内部にあるコイルの大きさにより決まっています。

なぜなら、コイルの上にうず電流が発生することで、熱が伝わるからです。

IH調理器はコイルのある部分のみを加熱するので、コイルよりも小さいサイズの鍋は加熱することができません。

1.1 一般的なコイルの形状

現在使用されているIH調理器は、ドーナツ状の形をしています。

中央は空洞になっており、円を書くように、ぐるぐるとコイルが巻かれています。

以前は中心に近いところから外側までをひとつのコイルで巻いていたのですが、進化にともなって二重・三重と増えていくようになりました。

弊社でも推奨している卓上IH調理器「Panasonic KZ-PH34」の紹介動画に、詳しく解説したパートがありますので、あわせてご覧ください。

1.2 特殊なコイルの形状

家庭用の据え置きタイプのみ、特殊なコイル形状をしたものがあります。

たとえば、三菱電機が2011年に開発した「IHクッキングヒーター用の5分割マルチコイル」では、コイルを中央と上下左右の5箇所に分割しています。

こうしたタイプのコイルは、一部分のみを加熱したり、出力を調整することでより細かい制御ができるようになっています。

2.コイルと異なる形状の鍋を加熱したとき

一般的な鍋は、底面が丸いものがほとんどですが、長方形や楕円の鍋を温めると、どうなるのでしょうか?

正解は、「火力が下がるが加熱できる」です。

2.1 本来の火力で温められない

IH調理器の火力は、「コイル全体で加熱できたとき」の値を基準に作られています。

そのため、楕円や長方形の鍋では、「本来の火力×コイルの上に乗っている割合」で加熱することになります。

たとえば、7割しか乗っていない場合、1000wで加熱すると実際には700w分しか温められてない・・・ということです。

3.よくある質問

・なぜ真ん中にはコイルがないのに温まるの?

真ん中は直接温められていませんが、周囲の熱を受けとっています。

・コイルのドーナツよりも小さい直径の鍋をおいたらどうなるの?

加熱できません。IH調理器の種類によって、エラーになるか、そもそも反応しないかのどちらかになります。

・コイルの半分くらいの大きさの鍋をおいたらどうなるの?

加熱はできますが、出力は落ちます。

例えば、1000wで加熱する設定でも、実際には700wしか動いていない・・・ということもあります。

4.対応範囲の確認方法

実際にコイルを確認する方法はあるのでしょうか?

4.1 コイル天板の刻印を見る

IH調理器の対応範囲を見やすくした、白い線が書かれている。

IH調理器の天板には、2つの丸いラインが書かれている機種があります。

小さい方が最小サイズ、大きい方が最大サイズとなっています。

4.2 取り扱い説明書を読む

取り扱い説明書には、対応サイズの記載があります。

もし取り扱い説明書を持っていない場合は、

4.3 ライトをかざす(ガラス天板のみ)

ライトをかざすことで、分解せずにコイルのサイズを確認することができます(ガラス天板のみ)。

iPhoneのライトや、光の強いものを用意して、天板に貼り付けます。

一般的な黒いガラスでも、若干の光が通るので、オレンジ色にキラキラと反射する部分に気をつけることで

5.参考文献・資料

Panasonic KZ-PH34 https://ec-plus.panasonic.jp/store/ap/storeaez/a2A/ProductDetail?HB=KZ-PH34-K

三菱電機 ニュースリリース http://www.mitsubishielectric.co.jp/news/2011/0713-a.html