テフロンはフッ素樹脂のブランド名!フッ素樹脂塗装の種類と飲食店で使用される種類を解説
テフロンを塗ると洗いやすくなるらしい。でも、フッ素樹脂塗装と書いてある商品もある・・・
今のたい焼き機に塗るのは、テフロン?フッ素樹脂?
実は、「テフロン」というのはフッ素樹脂ブランドのひとつで、その商品は60製品以上もあります。
この記事では、テフロンとフッ素樹脂塗装の違いのほか、飲食店で使われているフッ素樹脂の種類について解説します。
目次
1. テフロン™(Teflon™)はブランド名!
テフロンは、ケマーズ(Chemours)社のフッ素樹脂のブランドです。
フライパンで使われているテフロンは、大きな分類でも4種類のジャンルが含まれています。
三井・ケマーズフロロプロダクツ株式会社に掲載されているリストには60製品以上あるように、ひとくちに「テフロン」と言っても、その性質は多種多様です。
今では「フライパンに塗られているくっつきにくいコーティング=テフロン」として知られていますが、フッ素樹脂という大きなくくりの一ブランドだと覚えておくとよいでしょう。
3. 飲食店で使われる塗装は「PTFE」
では、テフロン以外になんと呼べばいいのでしょうか?
弊社では普段、「フッ素樹脂塗装」と呼んでいます。
その中でも、飲食店で使われるフッ素樹脂は、ほとんどがPTFEという種類を使用しています。
(テフロンにも、PTFE製品があります!)
ご依頼いただくと、ご利用のシーンをお伺いして、その商品に合った塗装をご提案することになります。
2.1 フッ素樹脂塗装-PTFE
たい焼き機に塗装するとき、ほとんどの場合、「PTFE」という種類のフッ素樹脂塗装を使います。
なぜなら、耐熱性が高く、260℃程度まで離型性(素材のくっつきにくさ)が維持できるからです。
4. よくある質問
・テフロンなら全部同じ?
いいえ、テフロンはブランド名なので、テフロンと名前がついていても、異なる塗装になります。例えば、テフロン™公式ページでは、一般消費者向けの塗装にこのようなランクを分けています。
- Classic(クラシック):お手入れが簡単で、焦げ付き防止性能を備えた時折使用する製品向けのコーティングです。
- Xtra:長持ちして、お手入れがしやすく、普段使いに便利です。
- Select(セレクト):日々の料理で確かな性能を求める忙しい人のための耐久性に優れたコーティング。
- Profile:調理器具の見た目を美しくして性能を長持ちさせる革命的なテクスチャー技術を用いたプレミアムクラスのノンスティックコーティングです。
- Platinum(プラチナ):金属製の器具に安全に使用でき、表面のお手入れも簡単な、長持ちするコーティング。
- Platinum Plus(プラチナプラス)とProfile:これら最高性能のノンスティックコーティングは、金属製器具に安全に使用でき、寿命を最大限に延ばします。
・テフロン以外にもブランドってあるの?
はい、あります。
たとえば、ポストイットで有名な3M社は、「ダイニオン™」というブランド名でPTFEのフッ素樹脂を販売しています。
ただ、”有名な”ブランドという意味では、テフロンだけと言えるかもしれません。
・テフロンじゃないのにテフロンって書いてあるのはなぜ?
一番お客様に伝わりやすい言葉のため、テフロンと書かれていることがあります。
あまりに有名なブランドになったため、洗いやすくなる塗装=テフロンと思われるかたも多いでしょう。
オーシンでも塗り直しをご依頼されることがありますが、フッ素樹脂塗装(いわゆるテフロン)のようにご説明することがあります。
厳密には、テフロン™ブランドの承認を得たものだけがテフロンなのですが・・・ホッチキス⇔ステープラー のように、伝わりやすさを優先すると、そのようになりがちです。
・PTFE以外のフッ素樹脂塗装はしないの?
PTFE以外だと、PFAが使われていることがあります。
工業用の製品や熱のかからない場所だと他のフッ素樹脂塗装も候補にあがりますが、飲食店の鉄板や焼き型、ステーキ皿やアルミ鍋といったシーンでは、ほとんどがPTFE(テフロンブランド品も含む)ではないでしょうか。